職場の外にある荷物置き場に、あの強い雨風の中、一匹の蝶がいた。
時折羽をゆっくり動かす以外はじっとしていた。
蝶には人の動きがわかるのだろうか、少し横に荷物を置いても
全く動かない。
やがて横のスペースがいっぱいになり、蝶がいる辺りにも置かなきゃなぁと思った瞬間、
どこかへ飛び去っていった。
あの強い雨風の中をまっすぐに、どこかへ。
雨風にじっとしている様子
自分より大きな荷物が迫ってもうろたえない態度
「さて、行くか」と言わんばかりに飛び去る姿
そんな光景を見ていて「優雅に耐える」という言葉が浮かんだ。
僕には蝶が「雨風も、身の危険も、優雅に耐えている」としか思えなかった。
おおいなる かぜの なか
ちょうは アスファルトのうえ
しずかに はねを やすめる
ゆうがに たえる
by まんぼー