人気ブログランキング | 話題のタグを見る

こころばの「無声の声」

スーパートランプ/クライム・オブ・ザ・センチュリー

ライフログに貼り付けたアルバム紹介も、今回でおしまい。
また新しく貼り付けたらその都度ブログでも解説しようと思う。


SUPERTRAMP/CRIME OF THE CENTURY(スーパートランプ/クライム・オブ・ザ・センチュリー)

スーパートランプ通算3枚目の、大出世作。
1枚目、2枚目がいずれも大コケ、メンバーもリックデイビスとロジャーホジソン以外は既に何回か入れ替わっているという混迷時期。3枚目がダメなら解散という状況だったらしい。

確かに、1枚目と2枚目は、ソングライティング自体は良いのだが、バンド単位での構成が中途半端で、曲の良さを活かしきれてない。故にバンドのセールスポイントがよく理解できない。この時期、70年代の前半は、レッドツェッペリン、キングクリムゾン、イエス、ELP等、凄腕のアーティストがチャートを争っていた事もあるし、リスナーが理解できない中途半端な状態では、そりゃあ大コケにもなるだろう。

その中途半端な部分が3枚目のCRIME OF THE CENTURYで見事に一掃される。
基本はポップロックでありながら、SEやオーケストラを取り入れたプログレッシブでドラマチックな構成が展開される。

オープニング曲Schoolの途中からのインスト部分の疾走感、Rudyのドラマチックな展開、タイトル曲Crime of the centuryのボーカルパートと後に続くインストパートの見事な対比、DreamerやIf everyone was listeningの極上ポップス等、聴きどころがたくさんある。

また、このバンドのセールスポイントのひとつである、リックデイビスとロジャーホジソンのそれぞれの個性もよく活かされている。

ブルージーで渋めのリックデイビス、ハイトーンでポップセンス抜群のロジャーホジソン。
インタビューやクレジットを見ると、1枚目と2枚目の作詞作曲は、完全な共作だった事がわかる。それをCRIME OF THE CENTURYからは個別に作るようにしたのだ。バンドカラーがハッキリしたのはこのお陰だろう。

バンド内で複数の人間がソングライティングを行うとなると、やり方はいくつか考えられる。
お互い持ち寄った作品にお互いが色づけする方法が良いか、お互いのソングライティングには干渉せずにバンドの色としてまとめ上げるか・・・・どちらがベストかはバンドそれぞれで決めるしか無い。スーパートランプの場合はその方法論を思い切って変えた事で大成功したバンドの一例である。

リックとロジャーのそれぞれの個性を活かしながら「スーパートランプというひとつの絵画を完成させる(リックデイビス談)」方法ですっかり自信を得た彼等はこの後ヨーロッパを中心に快進撃を続け、1979年にもうひとつの代表作BREAKFAST IN AMERICAを発表する。

ただ、この方法論にも限界があったらしく「ある人間はこの色、別の人間は別の色で塗ってゆく。絵はいつ完成するのだろうか・・・?ずっと完成しないかもしれない・・・(リックデイビス談)」

それぞれの個性がよりハッキリしてゆくにつれて、バンドの音としてまとめ上げる事が困難になり、FAMOUS LAST WORDSを最後にロジャーホジソンがスーパートランプを脱退する。

ロジャー脱退後のスーパートランプは、リックの個性を活かしたブルージーなR&Bバンドになり、多くの人もそう感じたらしいが、僕の好きなスーパートランプのサウンドやエッセンスが無くなったと感じた。そして、ロジャーホジソンのソロ作にCRIME OF THE CENTURYやスーパートランプが持っていたポップでありながらドラマチックなエッセンスを感じるので、前回も書いたが、僕はそれから先のスーパートランプは聴く気がしない。

by まんぼー
by kokoroba_mm | 2007-01-31 21:26 | アーティスト
<< こころばのボランティア活動(その2) ロジャーホジソン/Open t... >>



日々の想いを言葉に代えて

by kokoroba_mm
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
こころばライブ情報
次回ライブは調整中です(^^)
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧